養蜂のスタートにはまず種蜂が必要です。時には、日本蜜蜂の分封群が庭の樹木などに飛来し集結することがあります。これを捕獲して巣箱で飼育することができますが、こんなラッキーなことは本当にまれなことです。
所によっては、大樹の根元などに捕獲用の待ち箱を設置し、運良く入居したら、これを持ち帰り飼育するということも可能です。また、大樹の洞などに住み着いた蜂群を捕獲して、巣箱で飼育することも可能です。
しかし、これらは皆、運次第です。ですから、養蜂をスタートするには既存のミツバチ飼育者から種蜂を購入するのが確実です。
種蜂の購入法
種蜂を購入するのは早春が良いです。早春はミツバチの活動が盛んな時期ですから、たちまち強群となり、分封をします。また、もし蜂群に何らかの損傷が生じても、春期ですと回復が早いです。
順調にいけば、秋までにはかなりの経験を積めます。さらに、越冬準備期までには相当の経験を積めます。しかし、早春の越冬成功した蜂群は価格が高騰していたり、数がなかったりして手に入り難いです。
そんな訳で、種蜂は5月以降に購入するのが現実的です。この時期になると、種蜂の価格もかなり下がります。
種蜂購入時の注意
種蜂はもちろん強群が良いです。可能なら巣箱の蓋を開けて巣碑の枚数を確認し、貯蜜や蜂児成育の状態を見ます。しかし実際には、内部確認までしてから購入することは、なかなか出来ません。日本蜜蜂の巣箱の場合、構造的に内部確認が出来ないものもあります。
巣箱内を確認できない場合は、巣門からの蜂の出入りを見ます。強群は巣門前が混雑しています。
巣箱の側板を軽く叩いて、巣箱内から聞こえる “シーウン” あるいは“ビー” という羽音の大小によっても、蜂群の大小を判別できます。気温が低くて、蜂の出入がりなく、巣箱を開けることが出来ないときには、この方法は有効です。
種蜂購入時には蜂王の確認が必要です。スムシに犯されていないこと、下痢をしていないことなども確認が必要です。巣碑枠が正距か? 貯蜜が多いか? 等も種蜂購入時のチェック項目です。
種蜂購入は新王群が良いです。自然分封群の場合は第一分封群よりも第二分封群の方が良いです。第一分封群は旧王で、第二分封群は新王です。分封後の元群も新王群です。
西洋ミツバチ購入の場合は、種類の確認が必要です。同種交尾種よりも交配種が良いです。
自然飼育巣箱から巣枠式巣箱への移し替え
自然飼育巣箱の日本蜜蜂を購入した場合や、自分の自然飼育巣箱の蜂群は巣枠式巣箱に移し替えをすると良いです。移し替えは冬季以外なら、いつでも可能です。特に、早春は最適です。貯蜜もまだ多くなく、蜂児もまだ多くないので移し替え作業しやすいです。
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