ミツバチの病気には法定伝染病と届出伝染病があります。これは家畜伝染病予防法で指定されています。ですから、これら全部を指定伝染病と呼ぶこともあります。
正式には、家畜伝染病と届出伝染病を総称して監視伝染病といいます(伝染病予防法5条1項)。単に家畜伝染病と言うときは法定伝染病を指します。
<法定伝染病>
*家畜伝染病予防法2条1項で指定
ふそ病
<届出伝染病>
*家畜伝染病予防法施行規則2条で指定
バロア病
チョーク病
ノゼマ病
アカリンダニ症
以下は家畜伝染病法予防法で指定されているミツバチの病気と対策の簡単な一覧です。
病名 |
原因 |
症状 |
対処・対策 |
薬剤 |
ふそ病 |
細菌 |
<アメリカふそ病>
有蓋蜂児が死亡し、 粘調性で茶褐色の腐そ、巣房蓋のくぼみや小孔がみられる。やがて巣内 ー>蜂場全体ー>地域へと感染が広がる。
<ヨーロッパふそ病>
無蓋蜂児が死亡し、透明・乳白色の水っぽい腐そがみられる。
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発症蜂群は巣箱ごと焼却処分しなければなりません。アメリカふそ病予防薬の投与が必須。 |
アメリカふそ病予防薬”みつばち用アピテン” |
バロア病 |
ミツバチヘギイタダニ |
羽の奇形のさなぎや誕生直後の成虫が捨ててられる。
蜂数が激減する。
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年3回以上のダニ駆除剤の使用。 |
日農アスピタン
アピバール
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チョーク病 |
かび
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巣門前に白くミイラ化した蜂児が捨てられる。 |
蜂場全体の風通しを良くし、湿度の高くない環境にする。 |
なし |
ノゼマ病 |
原虫 |
下痢により、巣全体が糞で汚れる。 |
湿度の高くない環境にし、強勢群を保つ。 |
なし |
アカリンダニ症 |
アカリンダニ |
越冬期の蜂数の激減など。 |
日本では、H21年に初めて検出された。 |
なし |
ミツバチの病気については、民間療法をはじめとする様々な不確かな情報が氾濫し、混迷しているものもあります。家畜保健衛生所の発信する情報やアドバイスと専門サイトに耳を傾けたいものです。
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