養蜂でこれがないと飼育管理が出来ない道具と言えば、覆面布と薫煙器です。次ぎにハイブツール、これは場合によってはハクリなどで代用出来なくはありません。これらの3道具に比べると、ここに列挙した7つ計器と言うのは、なければないで、どうということはありません。が、あったら、とてもミツバチ飼育が充実します。
1)水平器
これは、建築工事や土木工事などで水平や垂直を見る道具(計器)ですが、養蜂で水平を見る局面があります。それは、巣箱を設置する時です。巣箱は左右は水平に前後は前を少々下げます。本当は前後も水平の方がよいのですが、巣門から雨水が入らないように前を下げます。 本当は前後左右とも水平が良いと言うのは、自然巣を見ると、ミツバチの造巣が元々水平を出して進められているからです。ですから、できるだけ巣箱を水平にして設置するのが蜂たちに良いのです。巣箱が傾いていれば蜂たちは気持ち悪いでしょうし、水平なら蜂たちは安心します。年に一度使用するかしないかの道具(計器)ですが、あれば養蜂が一変します。
2)方位計
自分の巣箱がどっちの方角を向いているのかだいたいは分かっているはずですが、正確に計ってみる価値はあります。正確に把握しているかいないかの差は大きいです。正確な方位がどうこうということは無いのですが、正確に計って見たという自負が、その後の養蜂のいろんな局面で深みや豊かさを出してきます。一度試しにやってみてください。何かが変わります。
3)巻尺(メジャー)
日常生活で、いつなんどき入用になるかも知れないのが、メジャーと電卓ですが、養蜂でもそうです。
4)温度計
温度計は真冬や早春の内検には不可欠です。気温が何度なのか分かって、巣箱を開けたり、開けるのを諦めたりします。また、真夏の猛暑時にも温度計は不可欠です。愛蜂を取り巻く自然環境を正確に把握することで、的確な飼育管理ができるのです。
5)湿度計
これも、温度計同様、愛蜂を取り巻く自然環境を正確に把握するために、ぜひ揃えたい一品です。
6)糖度計
これは、給餌糖液を作る時には必需品と言えます。糖度60度の餌を作ると言っても、なかなか難しいものです。砂糖と水をある一定割合で混ぜるという方法でも大体の出来上がりは可能ですが、正確に計ってみたいものです。これは、1万3千円前後しますが、もし揃えることが出来れば、いろいろと計ってみたいものがあります。蜂たちが貯えたばかりのはちみつ、濃縮途中のはちみつ、完熟してふたを被せたはちみつ等々。計って見てはじめて、“なるほど、そうなのか“ と納得することばかりです。はちみつの糖度を計るにはBrix58〜92%と言う糖度計が適当です。
7)計量カップ
これは給餌糖液を作る時には必需ですが、給餌するときにもあれば正確な給餌ができます。500ccの給餌、1000ccの給餌などということができます。
以上が7つ計器ですが、糖度計以外はどれも100円ショップで手に入ります。絶対に必要というものではありませんが、あれば養蜂がもっと楽しく、充実したものになります。実はミツバチは以上の計測能力を全て体内に持っているのです。水平、方向、距離とサイズ、温度、湿度、糖度などの計測をやっているのです。ですから、7つ計器を持つということは、よりミツバチに近づくことになると言えます。